コーセー化粧品に入社したのは19歳。お客さんはほぼ年上の女性。
会社からは、各商品を売るためのマニュアルトークを教ええもらっていました。
百貨店勤務だったので、「待ち」の営業です。当初は、担当制でもありませんでした。
つまり、店頭にいる6人の中で、いかに選んでもらえるかがまず第一。
店員はキレイな人ばかり。シミ、シワが一切ない赤ちゃんのような肌の人もいました。
色白でもなく、赤ちゃんのような肌でもない私は、お客さんから露骨に
「肌のきれいな人から買いたいからごめんね。」と言われたことがありました。
落ち込みました...
そしてその時気づいたのが、
「選んでもらうために人と違うことをする」
「それは他の人にはない私らしいことを見つけて実行する」でした。
指名されるためには、言葉をかける前の「態度」を変えなければなりません。
そのとき考えたことは、自分がお客さんの時にどんな店員さんならうれしいか?ということです。
接客のマニュアルなのか常識なのか、化粧品や洋服を見ていると、すぐに話しかけられます。
「この商品は〜」という説明か、「よかったら試してみてください」という声がけです。
いろいろ見たいのに、店員さんがかなり近づいてくると、
買わずには帰れなくなるんじゃないかというプレッシャーで店を離れます。
ではどうしたらいいのか?
私は、お客様の視線にぎりぎり入るくらいの距離でただ黙って微笑むことにしました。
ほとんどの方が笑顔になります。しばらくは商品を見られている間、声をかけません。
お客さんが目線を合わせてこられてはじめて声をかけるようにしたんです。
そのときも自分から商品の説明はしません。
お客さんから聞いてこられるからです。
今何をして欲しいのかと、まずはお客さんの心により添うこと。
これが私の共感集客・営業・接客のベースです。